川越市議会議員

中原ひでふみ

HIDEFUMI NAKAHARA

一般質問(2012年3月議会)

(川越市議会平成24年第1回(3月)定例会)

【1回目】

中原秀文 議長から発言のお許しをいただきましたので、通告いたしております表題につきまして質問をさせていただきます。
まず、今回の表題を選択したその背景と趣旨について最初に御説明をさせていただきます。
市民と市にとってのまちづくりを推進する上での根幹となる第三次川越市総合計画後期基本計画の位置づけのページにあります六つの分野別計画の一つとして産業観光も提示されており、これは、川越市にとって観光が重要な位置づけにあるということを意味しているのではないかと認識いたしております。また、本年度平成二十三年度は、第三次川越市総合基本計画後期基本計画、以下略称で第三次後期計画と呼ばせていただきますが、この計画の初年度である点も考慮いたしまして、今回、川越市の観光政策について取り上げさせていただきました。そこで、表題につきましてより深く堀り下げ、二つのテーマに分けて御質問をさせていただきます。
一番目のテーマとして、第三次後期計画にある第四章二節の観光による地域振興の進捗状況について、そして二番目のテーマとして、川越市における新たな観光政策の視点と課題についてという観点で質問をさせていただきます。
では、一回目の第一点目として、川越市における観光の現状についてお伺いいたします。
NHKの朝の連続ドラマ「つばさ」の影響などもあり、一時的にせよ入り込み観光客数は増加したと推察いたしますが、過去五年間の入り込み観光客数の推移についてお伺いいたします。また、外国人の国籍別の入り込み観光客数もわかるようであればあわせてお伺いいたします。
第二点目として、郊外型駐車場整備などを含め団体客の受け入れ態勢はどのような状況であるかお伺いいたします。
過去の一般質問においても川越駅西口開発に関する質問をさせていただいておりますが、川越駅西口の開発も本格化し、駅西口広場の改修も行われることが先般の新聞報道などでも公表されているようであります。郊外型駐車場整備の重要性に加え、主要駅である川越駅周辺における観光バスの駐車スペースの確保も重要と考えますが、第三点目として、川越駅西口広場の整備において観光バスの駐車場の確保をどのように考えられているのかお伺いいたします。
川越市には主要観光ゾーンである蔵造りの町並みや博物館、喜多院などがあります。今後新たな観光ゾーンの開発もされていくと思いますが、新旧の観光ゾーンを含め複数の観光ゾーン間をスムーズに移動していただくことが実現可能となれば滞在時間を伸ばすことにもつながるのではないでしょうか。
第四点目として、現状において観光客の観光ゾーン間の移動のための手段はどのようなものがあるのか、また、今後開発される観光ゾーンも含め、よりスムーズに移動するための施策を講じる予定はおありなのかお伺いいたします。
第三次後期計画の実質的な行動計画と推察いたします観光振興計画に戦略的重要施策の一つ目として小江戸川越キャラバン隊についての表記がありますが、第五点目として、小江戸川越キャラバン隊の活用の状況と川越市マスコットキャラクター「ときも」を利用した活動がどのように行われているのかお伺いいたします。
市長のマニフェストにあります「まちづくり」の項目の、観光客が満足し、地元が潤う観光を再興すること、観光資源の開発、活用をすること、これらの一つの実績として旧笠間家住宅及び仲町公共用地の活用もあると伺っております。これらは第三次後期計画の「観光環境の整備」の中の歴史的建築物の整備・活用にも取りざたされておりますが、第六点目として、旧笠間家住宅及び仲町公共用地については具体的にどのように活用されているのかお伺いいたします。
自治体によっては体験型ツアーなどの活用なども積極的に行われているようです。また、川越市においても第三次後期計画の「観光事業の企画・推進」でも産業観光を推進すると記載されていますが、第七点目として、農業体験ツアーなど体験型観光資源活性化につながるような具体的な施策はあるのかお伺いいたします。
一回目の最後に、第八点目として、第三次後期計画において観光客七百万人を目標にされているようですが、七百万人という目標を達成するための中心となる観光施策はどのようなものがあるのかお伺いいたします。
以上、一回目といたします。

福田 司産業観光部長 御答弁申し上げます。
初めに、川越市の過去五年の入り込み観光客数につきましては、平成十九年は五百九十八万一千人、平成二十年は六百四万七千人、平成二十一年は六百二十七万五千人、平成二十二年は六百九万七千人、平成二十三年は六百二万七千人という結果になっており、平成二十一年以降は連続して減少しております。
外国人の入り込み観光客数につきましては、川越駅、本川越駅、幸町の各観光案内所を利用した外国人観光客の統計を年度で集計しておりますが、平成十九年度以前の統計はとっておりませんので、平成二十年度からの集計で御答弁をさせていただきます。平成二十年度につきましては、一位が中国の千五百十九人、二位がアメリカの千百人、三位が台湾の五百五十八人でございます。平成二十一年度につきましては、一位が中国の千四百十七人、二位がアメリカの千三百二十五人、三位が韓国の六百六十七人でございます。平成二十二年度につきましては、一位が中国の千八百三人、二位が韓国の千三百九十七人、三位がアメリカの千百三十七人でございます。
次に、団体客の受け入れ態勢についてでございます。
団体客の誘客のかなめとなる観光バスを受け入れる郊外型駐車場整備につきましては、市道〇〇〇一号線沿いの城下町地内に整備し平成二十一年四月より供用を開始いたしましたが、平成二十二年四月にJAいるま野農産物直売所あぐれっしゅ川越がオープンしたことに伴いまして乗用車で来訪する観光客も増加していることなどから、共同駐車場として現在活用しております。
また、観光バスの駐車場につきましては、初雁球場のバックネット裏と公園管理事務所の北側を御利用いただいておりますが、蔵造りの町並みから初雁球場までは少し距離があることから、平成二十一年三月に市庁舎北側に観光バス乗降場所とトイレを設置し、観光客等の皆様に御利用をいただいているところでございます。なお、最近は、蔵造りの町並みに近い場所におきまして、民間会社が有料ではございますが観光バスの駐車場の提供を行っております。
次に、観光客の観光ゾーン間の移動のための手段につきましては、現在、各観光ゾーンを結ぶ民間会社の巡回バスが運行されているほか、観光パンフレット「見る遊ぶ」マップにも各ゾーン間の案内を示しております。
今後も、各ゾーン間を歩いて回遊できるよう、情報の質・量が充実した観光パンフレットの作成に努めてまいりますとともに、観光案内板や観光サインの整備を行ってまいります。また、今後開発する観光ゾーンも含め、観光客の多種多様な観光ニーズに対応した観光ルートを検討するとともに、移動手段につきましてもあわせて検討してまいりたいと考えております。
次に、小江戸キャラバン隊とマスコットキャラクター「ときも」についてでございます。
小江戸キャラバン隊につきましては、観光振興計画策定後、全国的にマスコットキャラクターを活用して観光PRをする流れになってきたことから、川越市におきましても、平成二十一年に「ときも」を誕生させキャラバン隊として位置づける観光PRを行っております。
「ときも」を利用した活動でございますが、イラストにつきましては現在三十五のパターンを用意しておりまして、営利目的を含めました一般利用を推進しております。また、「ときも」の着ぐるみにつきましても、メディアや市主催のイベント等に出演するとともに一般への貸し出しも行っております。また、今年度は埼玉県緊急雇用創出基金事業を活用いたしましておでかけときも事業を実施しており、市内のさまざまなスポットに「ときも」を出没させることで積極的なPRを行っております。
次に、旧笠間家住宅と仲町公共用地の活用についてでございます。
平成二十一年度から二十二年度にかけまして仲町地域活性化事業と位置づけ改修工事を行い、平成二十三年度より、旧笠間家住宅は仲町観光案内所として、仲町公共用地は鍛冶町広場として開設いたしました。
具体的な活用といたしまして、仲町観光案内所は観光案内所としての活用のほかにお茶席や端唄の催し会場として、また川越唐桟やつるし雛の展示等も行っております。さらに、旧笠間家の店蔵を改修したことで横並びの景観がよくなり、商工会議所方面からカメラを向ける方やスケッチをする方が多くなっており、一番街方面からの回遊性の創出にもつながっております。鍛冶町広場は、多くの観光客や市民の方々の休憩場所として利用されており、最近では校外学習で川越を訪れる小中学校の生徒さんたちの昼食場所や集合場所として利用されております。そのほか、囃子競演会等のイベント場所としての利用もなされております。
次に、体験型観光資源活性化などの具体的な施策についてでございます。
農業振興に関するツアーにつきましては社団法人小江戸川越観光協会が実施しておりまして、一番街散策と芋掘り体験をセットにいたしました小江戸川越イモ掘りライナー、また婚活をテーマにしてパワースポットめぐりや、川越産の黒豚、野菜、地酒などを提供するバーベキューをセットにいたしました小江戸黒豚焼いてアツアツ婚活BBQなどがございます。また、同協会において芋掘りマップ、ぶどう・なし直売マップ、川越農風景ウォーキングマップを作成しPRに努めており、本市におきましても農産物等の庭先販売マップを現在作成中でございます。
次に、七百万人という目標を達成するための中心となる観光施策についてでございます。
観光客七百万人という目標を達成するためには、第三次川越市総合計画後期基本計画でも掲載しております新たな「観光事業の推進」と「観光環境の整備」が中心となってまいります。新たな観光事業の推進では、農業、商工業と連携いたしました産業観光の振興や、新たな観光資源の発掘・活用によりまして観光リピーターをふやしていく事業のほか、外国人観光客の誘客を図っていくことも考えております。
観光環境の整備では、歴史的建築物の整備・活用を推進していくほか、川越都市圏まちづくり協議会、いわゆるレインボー協議会のエリアのみならず、埼玉県内の自治体と連携いたしました広域観光の推進を考えております。
以上でございます。

藤條 聡都市計画部長 御答弁申し上げます。
平成二十四年度より川越駅西口駅前広場改修工事を実施いたしますが、駅前広場自体の面積が不足しているため新たなバス乗降場の確保ができないことや、路線バスの安全性、定時運行の確保を優先しなければならないなどの理由から、観光バスの乗降場を広場内へ配置することは改修後においても難しいものと考えております。
現在、都市計画道路川越駅南大塚線上には早朝を中心にして観光地へ向かう大型観光バスが数多く停車しておりまして、周辺を通行する車や歩行者の安全性や快適性を損ねている状況にあるということは認識しております。このため、市といたしましても、これら観光バス等の将来的な乗降場のあり方について、今後、関係部署、事業者などを交えまして十分に検討を行っていく必要があると考えております。
以上でございます。

【2回目】

中原秀文 それぞれ御答弁をいただきました。
第三次後期計画にある観光による地域振興に掲げられている諸政策は、観光客七百万人を達成するためにいずれも大変重要な課題であると認識いたしております。その目的達成のためにポイントとなると推察いたしました質問を分野別に選択して進捗状況などをお伺いさせていただきました。ぜひとも御推進されている諸政策が順調に継続、実現されるように期待いたしております。
平成二十一年度以降は入り込み観光客数は連続して減少しているようですが、先ほども申し上げましたように、本年平成二十三年度は第三次後期計画の初年度でもあり、第三次後期計画の期間内での七百万人の達成が実現できるようにあわせて希望をいたします。
先ほどの御答弁の内容から、発展著しい中国からの観光客も増加傾向にあるということも理解いたしました。また、外国人観光客の誘客を促進されるということも御答弁の中で伺いました。国際交流のもたらす意義からも、本市は現状、オッフェンバッハ市、セーレム市、オータン市などの国際都市と姉妹都市として交流を図っているようでありますが、ただいま申し上げた状況を踏まえて、二回目の一点目として、本市を来訪する観光客数のうちで常時上位にランクしている中国、韓国を含んだアジア各国との姉妹都市交流を行うような計画をお持ちでないのかお伺いいたします。
都市との相互連携の効果は国外だけに限ったことではない視点からも川越市はレインボー都市相互間の連携も積極的に行われているようですので、第二点目として、レインボー都市相互間の観光関連における連携施策などが行われているのかお伺いいたします。
私は、これまでの一般質問でも申し上げておりますように、一貫して個々の事業の評価の重要性を説いてまいりました。川越市における観光事業についてもどのように評価・検証するのか、そのことを考える必要があると思っております。その方法として、観光関連企業の収益が増加することは法人市民税の増収が見込めると推察いたします。つまり、観光関連企業の税収の変遷をたどることで客観的な観光関連事業の評価につながると考えます。
そこで、第三点目として、現状では観光関連事業の成果に対する評価をどのように行われているのか、また、算出が可能であればそれらの事業による税収の変遷はどのようになっているのか、そしてそれらをどのようにとらえ評価されているのかお伺いいたします。
次に、貴重なデータと私は認識いたします平成二十三年五月発行の平成二十二年度川越市観光アンケート調査の報告書を確認させていただきました。その結果から幾つか疑問がわいてまいりました。出発地の傾向分布を知ることは国内外における知名度を判断する一つの指標となると考えます。報告書によりますと出発地のほとんどが関東圏になっているようですが、四点目として、関東圏以外の地域からの来訪を促すための施策を何か行われているようでありましたらそれはどのようなものであるのかお伺いいたします。
また、アンケート調査結果で年齢構成のデータもありますが、観光客の年齢構成を見ますと若年層の割合は低い結果を示しているようであります。若年層に川越の魅力を感じてもらい、それを体験し川越のファンになってもらえれば、それは潜在的なリピーター層を構築しておくことにつながるのではないかと考えます。それは、長期的でかつ戦略的視点でのリピーター予備軍の確保と言えるのではないでしょうか。
そのような背景を踏まえた上で、第五点目として、先ほど御答弁いただきましたように、新たな観光資源の発掘、活用によって観光リピーターを増加させていく事業を推進されていくようなお考えもお示しいただきましたし、また婚活をテーマにした小江戸黒豚焼いてアツアツ婚活BBQなども行われているようですが、リピーター予備軍ともいうべき若年層を増加させるための具体的な打開策はお持ちであるのかお伺いします。
また、観光客の要望の結果データとして「交通の安全性の向上」が三四・五%と最も多く挙げられているようです。観光客に安心して滞在していただくことは観光再興の観点からも大変重要であると認識いたしますが、第六点目として、交通の安全性の確保にはどのような対策が行われているのか、もしくは今後行われていく予定であるのかお伺いいたします。
観光時間についての結果データですが、この項目は観光政策上大変重要なファクターであると認識いたしております。なぜならば、先ほど申し上げました観光関連業の収益性の向上には、基本的に顧客との接触の機会が増加することも一つの大切な要因であると考えるからであります。データによりますと観光時間は三時間程度以内が五〇%強を占め、滞在期間は九七%が日帰りということを踏まえまして、第七点目として、この現状を打開し観光時間を伸ばすための施策並びに宿泊をふやすための施策はどのようなことを試みられ、推進されているのかお伺いいたします。
この観光時間、宿泊日数の課題は、他の自治体でも観光政策上継続的な課題ではないかと推察いたします。ある自治体の事例ですが、この課題の解決策として、民間のPR会社などを活用したケースを私はほうふつさせられます。そのケースとは、広報活動を根本から見直し、効果的に広報機能と宣伝PR機能の活用を実現し国内外からの観光客増加に貢献しているものであります。
僣越ながら、どのようなときにおきましても、課題解決に対処する上ででき得る限り本質的な改善・改革が実現できることを目指すべきであると私は考えております。そのようなことが本当に実現でき得るのであれば、それはだれしもが異論なく御賛同いただけるスタンスであると思っております。また、宿泊施設のキャパシティーの充実を図らなければ、現在推進されていらっしゃる宿泊につながるような観光客増加の施策にも支障を来しかねないと存じます。
そこで、二回目の最後に、第八点目として、海外からの観光客も含めた観光客増加の施策として、また知名度向上の施策として、現状を打開する意味からも民間のPR会社などを活用する可能性はお持ちなのか、さらに、空き家を活用するという発想で、この空き家の意味ですが、古民家に類するようなものを私は想定いたしておりますが、そのような古民家の空き家を観光資源として外国人向けの宿泊施設等に活用するような構想はお持ちではないのかお伺いいたします。
以上、二回目といたします。

木島宣之文化スポーツ部長 御答弁申し上げます。
姉妹都市交流についてでございますが、現在、川越市では、海外姉妹都市についてはドイツ、アメリカ、フランスの各市と姉妹都市の盟約を結んでおります。御指摘いただいたとおり、本市にも多くのアジアの国から観光客が見受けられるとともに増加傾向にあります。現在のところアジア各国との姉妹都市交流を行う計画はございませんが、今後アジアの国との姉妹都市の盟約締結につきましては検討を進めていきたいと考えております。
以上でございます。

福田 司産業観光部長 御答弁申し上げます。
レインボー協議会都市間の連携につきましては、その協議会内に観光連絡会を設置し、七市町合同で「レインボーおでかけマップ」や各市町の観光パンフレットを各所で配布する観光キャンペーンをこれまで実施してまいりました。また、昨年度には七市町すべてにマスコットキャラクターが誕生し、各市町でご当地グルメの開発も進んでいたことから、これらをPRするレインボーまつりを昨年度、そして今年度と開催いたしました。また、今月三十一日になりますが開催いたします小江戸川越春まつりオープニングイベントにおきましても、レインボーゆるきゃら大行進及びレインボーご当地物産展を実施する予定でございます。
次に、観光関連事業の成果に対する評価につきましては、まず入り込み観光客数のカウント調査、観光施設の聞き取り調査、主要イベント等の結果による観光客数や観光アンケート調査により行っております。
また、税収の変遷による評価につきましては、関係課に確認したところ、法人市民税に関する観光関連の業種区分がないとのことでございますので、現在のところ税収による評価はできません。今後、関係課と連携いたしまして調査研究を行い、税収による評価の可能性につきまして検討してまいりたいと考えております。
次に、関東圏以外の地域からの来訪を促すための施策についてでございます。
一つといたしましては、東北方面からの誘客施策といたしまして、埼玉県物産観光協会と協力いたしまして仙台駅でのふるさと観光展に参加し、毎年PRを行っております。このほか、埼玉県が主催しております国内の旅行会社や全国規模の出版社を一堂に集めましたトラベルマート事業にも参加し、旅行商品としての売り込みや旅行誌などへの掲載PRを行っております。
次に、若年層を増加させるため具体的な打開策についてでございます。
本市では、スマートフォンの利用率の高い若年層の観光客を呼び込むための施策といたしまして、昨年十一月末に埼玉県と社団法人小江戸川越観光協会と共同で一番街におきましてWi-Fi環境の整備を行い、それに合わせてスマートフォンのアプリであります「セカイカメラ」を使った観光振興策を展開しております。
また、昨年十月には若年層をターゲットにいたしまして、男女を募集いたしまして観光地めぐりを通じ交流を深めてもらおうという婚活ツアーを実施いたしました。さらに、今月三月三十日・三十一日には、まち歩きと飲食をともに楽しんでもらうという企画であります川越蔵まちバルというイベントの実施を予定しているところでございます。今後につきましても、若年層を呼び込むための各種の施策を行ってまいりたいと考えております。
次に、交通の安全対策につきましては一番街周辺の交通安全対策と認識しておりますが、毎年、春祭りや縁日大会等のイベント開催時において歩行者天国を実施しており、好評を得ております。今後も、交通渋滞の緩和と交通の安全性の向上を目指した方策を関係各課と進めてまいりたいと考えております。さらに、公共交通の利用促進や自転車ネットワークの整備なども関係各課と調整し検討してまいりたいと考えております。
次に、滞在時間を伸ばすための施策等についてでございます。
誘客効果が高い施策は、やはりテレビや雑誌等で紹介されることでございます。川越ロケーションサービスでは、撮影情報の提供や協力を行うだけではなく積極的に新たな観光スポットの情報提供を行い、番組等で取り上げていただく努力をしております。このほか、昨年は川越きものの日の実施や縁結びツアーの実施協力を行い、新たな観光資源による滞在時間の延伸を図っております。
今後は、新たに九十種類の観光ルートの設置のほか、料理店組合、鉄道会社と協力した夜の観光施策や観光ガイドと連携いたしました夜のガイドツアーを実施することで、宿泊の観光の推進につなげてまいりたいと考えております。
次に、民間のPR会社などの活用等についてでございます。予算との兼ね合いにもなりますが、民間のPR会社を活用いたしまして川越市のプロモーションを委託することは可能であると考えております。
古民家の空き家の活用につきましては、芸術・文化振興といった面から芸術家の作品制作の作業場として宿泊も含めて提供している事例は他の自治体ではあるようでございますが、外国人向けの宿泊施設としての活用となりますとさまざまな面から検討する必要があると思われますので、関係課と調査研究を行ってまいりたいと考えております。
以上でございます。

【3回目】

中原秀文 それぞれ御答弁をいただきました。
若年層の各種誘客策の実施においてWi-Fi環境の整備によりスマートフォンを活用した観光振興策を展開されている点や、滞在時間延伸策においては川越ロケーションサービスの実施をされていらっしゃることなど、情報通信機能の活用やメディアに対する積極的な働きかけをされていることを確認し、このことは現代社会においてはとても重要なファクターであるということを改めて認識いたしました。
さて、平成二十三年度、北海道の中札内村とアメリカのセーレム市を訪問された中学生の交流団報告書を拝見させていただきますと、姉妹友好都市の重要性を改めて強く認識いたしました。また、自治体国際化協会のホームページを拝見すると、埼玉県内の自治体で中華人民共和国の各都市と友好都市提携を結んでいる数は十市に及んでいるようであります。そのような状況からも、今後、国の内外を問わず川越市のPR活動を積極的に推進されることや、アジア各国都市との姉妹都市盟約締結を継続して推進されることを期待いたしております。
続いて、観光関連事業の成果に対する評価についての御答弁についてですが、ぜひとも関係各課との連携を強め、客観的な観光政策の成果指標構築を実現してくださることを強く希望いたします。市民にとって数々の政策が説得力を持って評価・検証されることは大変意義のあることであり、また市民もそれを期待していると私は信じてやみません。
ところで、先日、会派の視察で出雲市を訪問させていただいた際、現在、出雲市では出雲市の真のブランド化事業を推進されているということを拝察し、学ばせていただきました。その事業の施策で、市民が主役のブランド化推進、これらをコンセプトとした事例として朝日新聞でも報道されたフォト・ヴォイスプロジェクトと称されるものがあります。
本市でも、「セカイカメラ」などのスマートフォンを活用した若年層の観光増加の施策を展開されているようですが、それに加えて、このフォト・ボイスプロジェクトも若年層の観光客増加策の目的を果たす対策の一つになり得るのではないでしょうか。
その一つの要因として、若者を呼ぶのは若者の感性ではないかと私は考えるからであります。川越在住の若者自身が川越をPR・宣伝することによって彼ら自身も川越のよいところを発見する機会が得られ、また新しい川越の魅力を発掘することにもなり、そしてそのことが同年代の他地域の若者を呼び込むことにつながると考えるからであります。
 例えば、現在の若年層の必需品であるスマートフォンなどを活用し川越在住の若者が自身の在住エリアの情報を発信する。具体的には、その地域お気に入りの風景やスポットなどをスマートフォンで撮影しコメントを添えて情報を発信してもらう仕組みづくりなど、これらができれば、若者参加型の観光資源発掘やPR・宣伝活動が活性化されるのではないかと思案している次第であります。それを一つのサークル的な役割に発展させることにより、小江戸川越ファン倶楽部の活性化策にもなり得るのではないかと考えます。
以上のような背景から、三回目の最初の質問として、今述べたような若者によるスマートフォン活用のシステムを利用し、それを市のホームページに観光情報として掲載するサイトを開設することができるならば私は大変有効だと考えますが、そのような対応をすることは可能であるのかお伺いいたします。また、小江戸川越ファン倶楽部との連動の可能性もあわせてお伺いいたします。
冒頭でも申し上げましたように、川越市にとって観光は重要な政策分野であるという認識に立って質問をいたしてまいりました。先般、本年二月二十一日に、喜多院に伝わります歴史的に価値のある工芸品二点が川越市指定文化財の有形文化財として指定されたようですが、首都圏で中核都市の性格を持ちながらもこのように観光資源に恵まれている本市のこの特質は、市政運営におかれましても観光政策が川越市の将来的な発展のためにも重要かつ価値のある政策分野であると深く認識する次第であります。
市長が提唱される、観光客が満足し地元が潤う観光を再興すること、観光資源の開発、活用をすることを引き続き推進されますことを期待いたしております。
先ほど観光政策の検証・評価に対しましても積極的な御答弁をいただいたところではございますが、政策の評価は市民ニーズの観点からも重要な項目であるという点を私は認識しているということも申し添えておきまして、最後に市長に、市長御自身が推進、実現したいと思案されておられる川越市の今後の観光政策はどのようなものであるのかお伺いをし、三回目といたします。

福田 司産業観光部長 御答弁申し上げます。
観光情報のサイトの開設等についてでございます。
近年、ツイッターやフェイスブックと呼ばれますソーシャル・ネットワーキング・サービスやユーチューブといった動画投稿サイトを活用した情報発信が地方自治体でも行われるようになっております。本市におきましても、ユーチューブを活用いたしまして、観光グルメ大使である俳優の脇知弘さん出演によります観光映像の発信のほか、川越蔵まちバルにつきましてもフェイスブックによる情報発信を行っております。
今後は、このような情報発信・交換サービスの活用はますます盛んになっていくことが予想されることから、議員さん御提案のように、本市の観光情報の発信に活用できるように取り組んでまいりたいと考えております。
また、小江戸ファン倶楽部につきましては、本市への観光リピーターの増進につなげるために登録制によるメールマガジンの配信を考えておりましたが、個人情報の管理やシステム開発の問題で実施できていない状況でございます。
今後は、小江戸ファン倶楽部を若年層がサークル的に活用していただけるような施策を含めまして、ソーシャル・ネットワーキング・サービスとの連動につきまして検討してまいりたいと考えております。
以上でございます。

川合善明市長 御答弁申し上げます。
本市には多くの歴史遺産がございますので、これらの貴重な遺産を積極的に保存・活用し、歴史と伝統を重んじ品格を感じさせるまちにしたいと考えております。また、多くの観光客の方に訪れていただくために、お年寄りからお子さんなどもゆっくりと町並みを散策できるよう都市基盤整備等を行ってまいりたいと考えております。
その他、本市には歴史のある料亭もございますので、そのような料亭にも御協力をいただき滞在時間を長くできるような仕組みや、本市近隣にも魅力的な観光資源が多くございますので、周辺地域とも協力し広域観光も視野に入れた観光施策を進めてまいりたいと考えております。
いずれにしましても、観光は地域の総合産業と言うこともできるものでございますので、地域活性化に大いに資するものでございます。今後とも計画的に有効な観光戦略を打ち立て、一層の地域経済の活性化を目指してまいりたいと考えております。
以上です。

中原ひでふみ
川越市議会議員
川越市議会副議長 川越地区消防組合議会議長 議会運営委員長 総務財政常任委員長 などを歴任