川越市議会議員

中原ひでふみ

HIDEFUMI NAKAHARA

川越地区消防組合議会
第3回定例会(2016年10月)一般質問

【1回目】

中原秀文 議長から発言のお許しをいただきましたので、通告をいたしており ます、高層ビルに対する消防行政の体制について一般質問をさせていただきます。
私は、川越駅西口エリアのマンションに住んでいるのですが、近年、川越駅周辺にはマンションを中心にビルが立ち並ぶようになってきております。それらのマンションの住民の方から私のもとへも、マンションで火災が起きたときに消防はどのような対応をしてくれるのですか、というような消防の対応についての質問や不安の声を伺うことがあり、今回は高層ビルや高層マンションに対する消防体制はどのようになっているのか、確認をさせていただきたく、「高層ビルに対する消防行政の体制について」と題し、一般質問をさせていただくことといたしました。
消防法では、三十一メートルを超える建物を高層ビルと定義していると認識しておりますが、誤りがあるようでしたら御指摘いただければと思います。
一階当たり約三メートルとすると、十階より高いビルは高層ビルとなるわけですが、市内には高層ビルに定義されるビルやマンションはどの程度あるのか、また、種類別の数もあわせて一回目の第一点目としてお伺いいたします。消防年報に中高層建物の数が掲載されているのは拝見させていただいておりますが、改めて確認をさせていただければと思います。
あわせて、それぞれの消防署の管轄別にそれぞれ何棟ずつあるのか、第二点目と して。
また、高層ビルに対応した車両はどのようなものがあり、各消防署別にはどの程度配備されているのか、第三点目としてお伺いいたします。
第四点目として、高層ビルで火災が発生した際、どのような体制がとられるのか。
また、その際の消防団との連携はどのようになっているのか、第五点目として。
あわせて、低層階と高層階では初動体制として違いがあるのか、第六点目として、お伺いいたします。
高層ビルでの火災の際ははしご車の出動が想定されるわけですが、第七点目として、はしご車が対応できないようなマンションや高層ビルも存在すると思いますが、そのような建物は何棟ぐらいあるのか、お伺いいたします。
また、高層ビルの火災の際にはヘリコプターによる対応も考えられるわけですが、第八点目として、ヘリコプターによる対応はどのような状況のときに出動することになるのか、またあわせて、これまでにヘリコプターにより対応をされたことがあるのか、お伺いいたします。
少し視点が変わりますが、第九点目として、高層ビルや高層マンションにおいては、ビルやマンションの建物に消防設備の設置が義務づけられていることは認識しておりますが、具体的にはどのような設備の設置が義務づけられているのか、またあわせて、設置義務に対応できていないビルやマンションはあるのか、あるとすれば、どの程度あるのか、お伺いいたします。
以上、一回目といたします。

橋本丈夫予防課長 所管事務につきまして、御答弁申し上げます。
高層ビルにつきましては、消防法では三十一メートルを超える建築物となっております。一階の部分の高さを三メートルといたしますと、おおむね十階以上が高層ビルに該当するものでございます。
当消防組合管内における十階以上の高層ビルにつきましては、平成二十八年四月一日現在、九十五棟でございます。
用途の内訳といたしましては、マンションなどの共同住宅が七十五棟、ホテルが三棟、病院が一棟、学校が二棟、飲食店、店舗、事務所などが混在する複合用途ビルが十四棟でございます。
続きまして、管轄別十階以上の高層ビル数でございますが、川越北消防署管内は三十九棟、川越中央消防署管内は五十一棟、川越西消防署管内は五棟、川島消防署管内につきましてはございません。
続きまして、高層ビルや高層マンションに義務づけられております主な消防設備でございますが、消火器、屋内消火栓設備、自動火災報知設備、避難器具、非常コンセント設備、連結送水管などがございます。
当消防組合管内において、設置義務のある中で、対応できていない高層ビルや高層マンションにつきましてはございません。
以上でございます。

志村和宏警防課長 所管事務につきまして、御答弁申し上げます。
高層ビル火災に対応した車両はどのようなものがあり、各消防署にどの程度配備されているかでございますが、当組合は高層ビル火災に対応する車両としてはしご車を四台配置しており、川越北消防署に地上高四十六・一メートル、川越中央消防署に地上高三十・五メートル、高階分署に地上高十五・三メートル、川越西消防署に地上高三十六メートルまで伸長できるはしご車をそれぞれ一台配置しております。
続きまして、高層ビルで火災が発生した際の体制でございますが、当組合では四階以上の建物火災を中高層建物火災出場として対応しており、川越市管内の場合の初動体制は、第一出動として、指揮車一台、調査車一台、ポンプ車七台、救助工作車一台、救急車一台及びはしご車二台の合計十三台が出動いたします。
高層ビル火災の活動体制といたしましては、避難誘導、救助活動、延焼防止及び水損防止に重点を置き、活動いたします。
続きまして、高層ビルで火災が発生した際の消防団との連携でございますが、消火活動はもとより、避難誘導等の活動を行っております。
続きまして、高層ビルで火災が発生した際、低層階と高層階の初動体制の違いでございますが、出動体制に違いはございませんが、活動体制といたしまして、低層階の場合は車載の三連ばしごを活用した救助活動や消火活動を実施しています。高層階の場合は、建物に設置された消防用設備やはしご車を活用した救助活動・消火活動を実施しております。
続きまして、高層ビルでの火災の際、はしご車が対応できないようなマンションや高層ビルの数でございますが、当組合管内において十階以上の高層ビル数は、平成二十八年四月一日現在九十五棟あり、そのうち三十棟がはしご車の部署が不能でございます。
はしご車が部署不能の三十棟の消防署別の内訳でございますが、川越北消防署管内に十三棟、川越中央消防署管内に十五棟、川越西消防署管内に二棟でございます。
続きまして、高層ビル火災の際、どのような状況のときヘリコプターが出動するのか、また、ヘリコプターによるこれまでの対応についてでございますが、高層ビル火災における防災ヘリコプターの活用は、上空からの情報収集と屋上にいる要救助者の救助活動になります。
また、ヘリコプターによるこれまでの対応につきましては、当組合において現在までのところ、高層ビル火災でこれらの活動を実施したことはございません。
以上でございます。

【2回目】

中原秀文 それぞれ多岐に及び御答弁をいただき、ありがとうございました。 二回目の質問をさせていただきます。
御答弁では、当組合管轄内には高層ビルが九十五棟あり、うちマンションなどの共同住宅が七十五棟あることを確認いたしました。また、中央消防署管内が最も多く、五十一棟あることも確認をさせていただきました。
御答弁から、高層ビル対応の車両としてははしご車があり、対応できる高さの違うはしご車が四台あり、北・中央・高階・西消防署にそれぞれ一台ずつ配置していることを確認させていただきました。
まず、二回目の第一点目として、このはしご車四台というのは、全国的に見て当組合管轄内にある中高層ビルの数に対して適当な数であるのか、また、配置に関しても適切と言えるのか、お伺いいたしたいと思います。
続きまして、御答弁では、高層ビルで火災が発生した際、十三台の車両が出動し、また、消防団の方々とも連携をされて活動を行っているということでした。平成二十七年度中にこのように十三台の車両が出動したのは何回程度あったのか、また、そのうち火災ではなかった回数はどれくらいであったのか、あわせてその内容も含めて第二点目としてお伺いいたします。
御答弁では、今年四月一日現在で高層ビルは九十五棟あり、そのうち何と三二%に当たる三十棟がはしご車の対応が不能であるということでした。このような内容を聞くと、高層マンションの住民の方や高層ビルで勤務をされている方は不安を感じてしまうのではないかというふうに感じるわけです。
これらのビルに対しては、ヘリコプターの活用とか、何か特別な対応をとられるような体制が組まれているのか、また、あわせてビル自体に何か特別な処置をしておく必要があるのか、第三点目としてお伺いいたします。
御答弁から、高層ビルや高層マンションには義務づけられている消防用設備が幾つもあることを確認させていただきました。また、高層階の場合は建物に設置された消防用設備やはしご車を活用して救助活動や消火活動を実施されるとの御答弁でした。
私もマンションに住んでいまして、全てではありませんが、そのような設備があることは知っていましたが、これらのうちどれを消防隊員の方が使用され、また、住民はどれをどのようなときにどのように使用するのか知らないのが現状です。マンションの住民の方やビルで勤務されている方々の中には、私と同じように感じている方も多いのではないでしょうか。
そこで、二回目の第四点目として、現在、マンションの住民やビルに勤務されている方々向けの設備の利用方法の講習会や訓練などはどのように行われているのか、お伺いいたします。
たとえ一部の方への講習や訓練が行われていたとしても、全ての住民や勤務されている方々がいざというときに利用できなければ、せっかく設置してある設備も宝の持ち腐れになってしまいかねませんし、設備の活用方法がわかっていれば、大きくなる火災を事前に食いとめることができるかもしれません。マンションの住民やビルに勤務されている方々への設置が義務づけられている設備の利用方法の周知について、川越地区消防組合はどのようなお考えをお持ちなのか、第五点目としてお伺いをいたしまして、私の一般質問とさせていただきます。

谷島忠雄総務課長 ただいま御質問のはしご車に係る適正な台数及び配置につきまして、御答弁申し上げます。
国が示す消防力の整備指針に基づく基準によりますと、当消防組合の基準台数は三台となりますので、現在所有しております四台は十分な台数であると認識しております。
また、その配置につきましては、市街地を中心に適切な署所に配置しているものと認識しております。
以上でございます。

安田勇次指揮統制課長 所管事務につきまして、御答弁申し上げます。
平成二十七年度中に十三台の車両が出動したのは何回程度あったか、また、うち火災でなかった回数はどれぐらいであったのかでございますが、平成二十七年度中に中高層建物火災で消防車が出動した回数は十二回でございます。そのうちの五回を火災として扱っており、七回は火災ではなかったものとして扱っております。なお、火災として扱わなかった七回の内訳につきましては、自動火災報知設備の誤発報が五回、いたずら通報が二回でございます。
以上でございます。

比留間富雄次長 御答弁申し上げます。
初めに、はしご車の対応が不能な高層ビルに対する体制でございますが、当組合として出動体制に変わりはございません。
次に、防災ヘリコプターの活用でございますが、火災で要救助者の方がビルの屋上に避難し、屋上に延焼のおそれがある場合、防災ヘリコプターを要請し、屋上から救助活動を依頼する場合もございます。
次に、ビル全体に何か特別な処置をしておく必要があるかでございますが、高層ビルには消防隊が迅速に活動できるような消防用設備が設置されておりますので、特別な処置をしていただく必要はございませんが、はしご車部署の可・不可を問わず、日ごろから消防用設備の維持管理、また、容易に避難できるよう避難口や避難経路の管理をお願いしているところでございます。
以上でございます。

柴崎正治次長 御答弁申し上げます。
初めに、消防設備の利用方法の講習会や、訓練などをどのように実施しているかについてでございます。
消防計画に基づき、防火管理者が中心となり自衛消防訓練を実施していただいているところでございます。訓練が実施される際に職員派遣依頼書が提出された場合は、職員が現地に出向し、建物に設置されている消防設備の取り扱いの説明や、水消火器による初期消火訓練などを指導しております。
続きまして、消防設備の利用方法の周知でございます。
自衛消防訓練時に直接指導することはもとより、消防組合のホームページや広報紙「虹のマーチ」を最大限に活用し、居住者などが使用する消防設備や消防隊が使用する消防設備をわかりやすく広く周知していくよう考えております。
以上でございます。

中原秀文 御答弁をいただきました。
さまざまな形で高層ビルに対しての対応をされていることを認識させていただきました。
マンションに住まわれている方はどんどん高齢化が進んできております。そういう中で、避難はしごとかがマンションにはついているのですけれども、そういうはしごで降りられない方がどんどんふえてきているというふうに私は認識しているところです。そういうことを考えますと、これからのマンションに対する消防行政の体制については、より強化をしていかなければいけないのではないかと感じております。先ほど御答弁もいただきましたけれども、さまざまな広報活動を通じて周知していただくことと、より多くの方に訓練や講習会を受けていただくような体制をとっていただきますことを切にお願いいたしまして、私の一般質問とさせていただきます。

中原ひでふみ
川越市議会議員
川越市議会副議長 川越地区消防組合議会議長 議会運営委員長 総務財政常任委員長 などを歴任