(川越市議会 令和4年第1回(3月)定例会)
中原秀文 議長から発言の許可を頂きましたので、通告してあります社会資本マネジメントにおけるインフラ施設について一般質問をさせていただきます。
今回の一般質問に当たり、国交省の社会資本の老朽化対策情報ポートタルサイトを確認させていただきました。このサイトのインフラメンテナンス情報のページに社会資本の老朽化の現状と将来についての記載があり、そこには我が国の社会資本ストックは高度経済成長期に集中的に整備され、今後急速に老朽化することが懸念される。今後二十年間で建設後五十年以上経過する施設の割合は加速度的に高くなる見込みであり、このように一斉に老朽化するインフラを戦略的に維持管理、更新することが求められる。と明記されており、また、将来推計のページに二〇一三年の社会資本メンテナンス元年以降の取組の実績や新たな知見等を踏まえ、三十年後、二〇四八年度までの今後の維持管理、更新費の推計を行ったところ、事後保全から予防保全へ切り替えることによる費用の縮減効果が大きいことが分かった。今後予防保全の考え方を基本としたインフラのメンテナンスを国、地方公共団体などが一丸となって着実に進めるとともに、新技術やデータの積極的活用、集約再編等の取組による効率化を図り、持続的、実効的なインフラメンテナンスの実現を目指す。との記載があり、一斉に老朽化するインフラの戦略的な維持管理と更新の必要性並びに予防保全への切り替えやデータの積極的な活用、集約再編等の取組による効率化の重要性を改めて確認をさせていただきました。
私は昨年、令和三年十二月議会で社会資本マネジメントとコンパクトシティについてと題し、主に公共施設とコンパクトシティの関係性について一般質問をさせていただきました。その際、川越市公共施設等総合管理計画を基に確認をさせていただいたところですが、今般、令和四年一月に改訂版が発行されましたので拝見させていただきました。その内容について幾つか確認をさせていただきたい点があり、また併せて、市民生活に直結する大変重要な施設であるインフラ施設の現状について把握をさせていただきたく、今回一般質問で取り上げさせていただきました。
まず、川越市公共施設等総合管理計画の改定を今年度行う必要があった背景にはどのようなものがあったのか伺います。
併せて、川越市公共施設等総合管理計画の改定の主な内容はどのようなものなのか伺います。
また、川越市公共施設等総合管理計画で対象としているインフラ施設にはどのようなものがあるのか、改めて確認をさせていただければと思います。
昨年十二月議会での私の社会資本マネジメントとコンパクトシティについての一般質問の中で、総合政策部長から公共施設等の更新費用について、今回の改訂版の基となる平成二十八年六月に策定した川越市公共施設等総合管理計画において一定の条件の下、改めて試算を行い、二〇一五年から二〇四四年まで三十年間で合計約五千五百二十八億円となり、年平均では約百八十四億円が必要であるという結果であったとの御答弁がありました。改訂版を拝見させていただくと、一年当たりの平均経費の見込額として二百三十七億六千万円が必要との記載があり、平均経費として取り扱っているようですが、今回の改定の中で更新費用についてはどのように扱っているのかお伺いいたします。
本計画のインフラ施設の経費の見通し試算結果と現在要している経費についても確認させていただきました。今回の試算では、河川管理施設も加わり、平成二十八年度の計画とは試算の方法が異なるようですが、改訂版の一年当たりの平均経費の見込額を見ますと、道路が四十二億四千万円、橋梁が二億五千万円、河川が五千万円、上水道が二十六億一千万円、下水道が十六億九千万円となっており、一方、現在要している経費は、道路が三億七千万円、橋梁が一億八千万円、河川が三千万円、上水道が十八億五千万円、下水道が十一億九千万円となっていることを確認させていただきました。
川越市公共施設等総合管理計画における経費の見通し試算結果と現在要している経費の試算は、それぞれどのように行われたのか確認をさせていただければと思います。
本市には国道、県道、市道とそれぞれ管理主体の異なる多くの道路線が張り巡らされているわけですが、本市の国道、県道、市道の延長と面積は、それぞれどれぐらいあるのか伺います。
本市の市道は、幹線一級市道、幹線二級市道、その他の市道と三つのカテゴリーに分けられているわけですが、どのようにすみ分けをされているのかも含め、それぞれの延長と面積はどれぐらいか、また、見通しの試算には、これら市道のうちどこまでが含まれているのか、それぞれの延長に対する割合も含め、御答弁を頂ければと思います。
併せて、本計画における道路、橋梁及び河川管理施設の対象としている施設並びに更新計画とその進捗状況について確認をさせていただければと思います。
上下水道に関しても幾つか確認をさせていただきたいと思います。
本市は一九七〇年代前半に大量に整備した配水管が整備後四十年以上経過していることや一九九〇年代前半にピークとなった下水道に関しても計画的な更新が必要となっていることは承知をいたしております。本市における水道管及び下水道管渠の総延長はそれぞれどれくらいあるのか伺います。
併せて、上下水道についてもそれぞれの施設の更新計画と現在の進捗状況について確認をさせていただければと思います。
以上、一回目といたします。
土屋正裕総合政策部副部長 御答弁申し上げます。
初めに、川越市公共施設等総合管理計画の改定を行った背景についてでございます。
本市の公共施設等総合管理計画は、平成二十六年四月に国から示されました公共施設等総合管理計画の策定に当たっての指針に基づきまして平成二十八年六月に策定したものでございます。その後国が示す公共施設等総合管理計画の策定にあたっての指針が平成三十年二月に改定されたため、新たに示された項目に対応することを主な目的といたしまして、公共施設等総合管理計画の方向性等につきましては特に変更せず、令和二年度までに策定した個別施設計画の内容も踏まえた必要最小限の改定を今回行ったものでございます。
次に、川越市公共施設等総合管理計画の改定の主な内容についてでございます。
今回の改定におきましては、四つの項目といたしまして、長寿命化対策等を踏まえた更新費用の見通しの再試算、有形固定資産減価償却率の推移、ユニバーサルデザイン化の推進方針、公共施設等適正管理推進事業債の活用実績、これらを新たに追記をいたしまして、また、記載データの時点修正や各施設の個別施設計画に合わせた文言の修正など、必要に応じて対応したものでございます。
次に、川越市公共施設等総合管理計画の対象としているインフラ施設についてでございます。
インフラ施設につきましては、道路、橋梁、河川、上水道及び下水道の五分類を対象としております。主な施設といたしましては、道路、橋梁、排水機場、配水管、浄水場、受水場、管渠及びポンプ場などであり、それぞれを管理する事務所や管理施設なども含めて対象としているところでございます。
最後に、今回の川越市公共施設等総合管理計画の改定における公共施設等の更新費用の扱いについてでございます。
平成二十八年度に策定した川越市公共施設等総合管理計画におきましては、計画策定時に市が所有する施設について、床面積や延長、構造などを基に、耐用年数を経過した時点で更新することとして三十年間の試算を行ったところでございます。
今回の改定におきましては、インフラ施設も含め、各個別施設計画で検討した長寿命化の視点を踏まえて、更新費用だけでなく維持管理や修繕、改修費用なども含めた三十年間における経費の見通しを試算し、一年当たりで見た額と現在の施設の維持管理、更新等に要している額との比較を行うことで、将来の更新費用等の見通しを改めて行っているものでございます。
以上でございます。
野口幸範建設部長 御答弁申し上げます。
建設部が所管する施設の公共施設等総合管理計画における経費の試算についてでございます。
インフラ施設の経費の見込みにつきましては、長寿命化対策を想定して維持管理、修繕、改修及び更新に関わる経費を試算したものでございます。
道路が三十年間で約一千二百七十二億七千万円、年間約四十二億四千万円、橋梁が三十年間で約七十五億九千万円、年間約二億五千万円、河川管理施設が三十年間で約十五億四千万円、年間約五千万円の経費を要すると見込んでおります。
現在要している経費につきましては、直近の維持管理、更新等に要している費用から算出しております。委員より御指摘ございましたが、道路が年間約三億七千万万円、橋梁が年間約一億八千万円、河川管理施設が年間約三千万円でございます。
次に、市内の道路の延長と面積についてでございます。
国道と県道につきましては、令和二年四月一日現在の県の道路現況調書によりますと、国道が路線数三本、延長二十七・六キロメートル、面積五十三万九千二百三十七平方メートルで、県道が路線数二十本、延長七十三・五キロメートル、面積八十五万八千四百三十八平方メートルでございます。また、市道につきましては、令和三年四月一日現在、路線数五千九百六本、延長千六百・四キロメートル、面積八百二十五万九千三百六十三平方メートルでございます。
次に、市道の区分と内訳及び見通しの試算に含まれるものについてでございます。
幹線一級市道は国道、県道とともに都市圏域の基幹的道路網を形成する道路であり、幹線二級市道は幹線一級市道以上の道路を補完し、これらの道路と主要施設などを結ぶ道路でございます。その他の市道は幹線市道以外の市道で、地域住民の日常生活を支える身近な生活道路でございます。
それらの内訳としましては、幹線一級市道が路線数七十七本、延長八十二・二キロメートル、面積八十五万八千四百九十八平方メートル、幹線二級市道が路線数七十七本、延長九十三・二キロメートル、面積八十万七千六百七十九平方メートル、その他の市道が路線数五千七百五十二本、延長一千四百二十五・〇キロメートル、面積六百五十九万三千百八十六平方メートルでございます。そのうちアスファルト舗装した市道を見通しの試算の対象としており、幹線一級市道が延長八十一・四キロメートルで九九・〇%、幹線二級市道が延長九十二・五キロメートルで九九・一%、その他の市道が延長千十五・一キロメートルで七一・二%となっております。市道全体では千百八十九・〇キロメートルで七四・三%でございます。
次に、道路、橋梁及び河川管理施設の更新計画と進捗状況についてでございます。
道路の更新計画につきましては、平成三十一年三月に策定した川越市個別施設計画(道路舗装編)において、対象延長千百八十九・〇キロメートルのうち緊急輸送道路などの重要路線百九・七キロメートルについて予防保全型の管理を行い、その他の路線については事後保全型の管理を行うことで、効率的かつ計画的な維持管理を行うこととしております。
進捗状況といたしましては、現在、予防保全型の管理に必要な定期的な路面情報の把握ができておらず、計画どおりにできていない状況でございます。
橋梁の更新計画につきましては、平成三十一年三月に策定した川越市個別施設計画(橋りょう編)において、道路法施行規則に基づき五年に一回点検を行い、その結果により修繕等の維持管理を行うこととしております。
進捗状況といたしましては、現在、市が管理する六百二橋について二巡目の点検を実施しており、その結果に基づき、おおむね計画どおり修繕しているところでございます。
河川管理施設の更新計画につきましては、令和三年三月に策定した川越市個別施設計画(排水機場・排水ポンプ場編)において、対象施設である排水機場三施設及び排水ポンプ場十一施設全体の修繕等の方針を定めたことから、その方針に基づき施設ごとの対策を行うこととしております。
進捗状況といたしましては、現在、対象施設のうち施設規模の大きい排水機場の修繕等の検討を進めているところでございます。
以上でございます。
大成一門上下水道局長 御答弁申し上げます。
川越市公共施設等総合管理計画の中で試算しております上下水道事業に関する将来経費の見通し等についてでございます。
まず、水道事業における管路施設及び浄水場施設の令和三年度から三十年間に要する経費につきまして、主な建設改良費を七百八十三億七千万円とし、一年当たりの経費見込額を二十六億一千万円と試算し、それに対して、現在要している経費につきましては、平成二十九年度から令和元年度までの三カ年に要した主な建設改良費の平均値として十八億五千万円と算出したものでございます。
次に、下水道事業における管路施設及びポンプ施設の同じく三十年間に要する経費につきましては、主な建設改良費を五百五億八千万円とし、一年当たりの経費見込額を十六億九千万円と試算し、それに対して、現在要している経費につきましては、水道事業と同様に三カ年の建設改良費の平均値として十一億九千万円と算出したものでございます。
次に、市内における水道管路及び下水道管渠の総延長について、令和二年度末における数量でお答えいたします。
まず、水道管路総延長は約千四百八十五キロメートルでございます。次に、下水道管渠の総延長は約千百八十六キロメートルで、内訳は合流管が二百十四キロメートル、分流汚水管が八百四十八キロメートル、分流雨水管が百二十四キロメートルとなっております。
次に、上下水道それぞれの更新計画等についてでございます。
まず、水道事業における更新計画につきましては、主に老朽管の更新と重要施設配水管及び浄水場の計画的な耐震化事業を実施しているところでございます。老朽管更新につきましては、配水管の耐用年数の経過や漏水実績を考慮した上で更新による耐震化を図っているところでございます。また、長大な管路更新を効果的に推進するため、川越市地域防災計画に位置づけられた地域防災拠点、避難所、救急医療施設等へ浄水場から伝わる配水管や口径四百ミリ以上の管路である一次管路等を重要施設配水管と定義し、計画的な更新と耐震化を図っているところでございます。
現在の進捗状況でございますが、令和二年度の管路更新率は、目標値一%に対して〇・九六%、距離にして約十四・二キロメートルで未達成でございます。また、浄水場施設につきましては、令和二年度までに八カ所のうち四カ所の耐震化等が完了したところで、今後も引き続き更新事業を実施してまいります。
次に、下水道事業の更新計画につきましては、川越市下水道長寿命化計画及び川越市下水道ストックマネジメント計画に基づき、市内の重要な下水道路線においてマンホール、管渠等の実態調査や管更生工事、ポンプ場施設の耐震化等、更新工事等を進めております。
調査により、下水道管渠等の亀裂による浸入水の状況等、緊急度が高い場合は修繕、改築、また緊急度が低く状態監視保全等とされた場合は、施設、設備の特性に応じて管理する修繕改築計画を立てる予定になっております。現在の進捗状況でございますが、令和二年度には管渠等の点検、調査を約六十三キロメートル、管更生工事を約三・七キロメートル、布設替え工事を三百七十六メートル、また、大袋新田第一汚水中継ポンプ場等においてポンプの制御盤更新やポンプ交換など、維持修繕工事を実施したところで、引き続き効率的な更新事業を実施してまいります。
以上でございます。
中原秀文 それぞれ御答弁を頂きました。
川越市公共施設等総合管理計画の今回の改定は、国の指針が改定されたことによる必要最小限の改定であったとの御答弁でした。また、改定の主な内容には新たに追記した四つの項目があり、その一つとして長寿命化対策等を踏まえた更新費用の見通しの再試算が含まれるとのことでした。インフラ施設については五分類を対象としていることと主な施設についても改めて確認をさせていただきました。
今回の試算では、長寿命化の視点を踏まえ、更新費用だけではなく三十年間の維持管理や修繕改修費用なども含めた経費の見通しを試算し、それを一年当たりで見た額と現在の維持管理、更新等に要している額との比較を行うことで、将来の見通しを行っているということを理解させていただきました。また、建設部、上下水道局それぞれの管轄施設の経費の試算についても御答弁を頂き、理解をさせていただきました。
国道、県道を合わせた延長は市内の全道路線総延長の五・九%であるものの、面積は一四・五%を占めているということを計算で分かりました。また、幹線一級、二級市道並びにその他の市道の延長並びに面積についても確認をさせていただき、今回の試算には幹線一級、二級が九九%以上、その他の市道が七一%強と、合計で千百八十九キロメートル、総延長の七四・三%が含まれていることを確認させていただきました。
水道管路の総延長、下水道管渠の総延長も改めて確認をさせていただきました。
道路、橋梁及び河川管理施設並びに上下水道の更新計画とその進捗状況についても確認をさせていただきました。
上下水道に関しては、水道の管路更新が若干の未達成ではあるものの、しっかりと更新事業を進めているという趣旨の御答弁だったかと思います。橋梁と河川管理施設はおおむね計画どおりに進められているものの、道路については、緊急輸送道路などの重要路線百九・七キロメートルについて予防保全型の管理を行うこととしているが、現在、予防保全型の管理に必要な定期的な路面情報の把握ができておらず、計画どおりにできていない状況であるとの御答弁で、重要路線にもかかわらず安全性の面での品質について大変憂慮しているところであります。
一年当たりの平均経費の見込額と現在要している経費の差である不足額を見ますと、道路が三十八億七千万円、橋梁が七千万円、河川が二千万円、上水道が七億六千万円、下水道が四億九千万円となっており、計画どおり進んでいるかどうかのいかんにかかわらず、今回の試算で見込額と現在の経費の間には大きな隔たりがあることが分かったわけですが、経費見通しの試算の結果と現在要している経費との差を踏まえ、今後のインフラ施設についてどのような対応を考えているのか、建設部、上下水道局、それぞれの御見解をお伺いし、二回目といたします。
野口幸範建設部長 御答弁申し上げます。
経費の差を踏まえた対応の考え方についてでございます。
道路、橋梁及び河川管理施設につきましては、市民生活に直結する重要な施設であり、将来にわたって適切な維持管理や施設の更新を行うことが求められます。このため、計画に示された経費を確保することが重要となりますが、厳しい財政状況の中、施設の統廃合や新技術の導入等も検討し、計画と実施の差を縮小した持続可能な維持管理を目指すとともに、国庫補助金や地方債の活用に向けて必要な調査等を行い、経費の確保に努めてまいりたいと考えております。
以上でございます。
大成一門上下水道局長 御答弁申し上げます。
計画と実施経費の差額についてどのように考えるかについてでございます。
上下水道事業とともに市民生活の重要なインフラ施設として今後の果たすべき使命は、建設拡張から将来にわたり安全安心な水循環事業を推進するための維持管理へ変わってきており、老朽化施設の更新修繕や耐震化の推進など、計画を着実に推進する必要がございます。さらに、経営環境も大きな転換期を迎えており、将来の人口減少や節水意識の向上等による使用量の減少により事業運営は厳しさを増すため、これまで以上に効率的な経営に努めてまいります。
以上でございます。
中原秀文 建設部長、上下水道局長、それぞれから御答弁を頂きました。
上下水道局長からは、上下水道事業ともに果たすべき使命が建設拡張から維持管理へと変わってきており、また、使用量の減少などの予測により経営環境も大きな転換期を迎え、今後も事業運営は厳しさを増すため、これまで以上に効率的な経営に努めていきたいとの御答弁がありました。国内では老朽化が進んだ水道管の破裂なども起き、大きな社会問題となっています。市民が安心して利用できる上下水道の整備に引き続き御尽力を頂きたいと思います。
建設部長からも、道路、橋梁、河川管理施設ともに市民生活に直結する重要な施設であるとの御認識と将来にわたって適切な維持管理や施設の更新が求められているとの御見解を示されました。先ほども申し上げましたように、上下水道局としては事業運営の厳しさについて言及をされていたわけですが、建設部としてもまた経費の確保の重要性を認識しつつも財政の厳しさについて述べられていました。
現在要している経費では、公共施設を含め一年当たり七十四億九千万円の不足額があることが今回の改定による試算で明らかになったわけです。市では市民に対し様々な魅力的な政策を打ち出しているとは思いますが、いくら魅力的な政策を打ち出しても市民生活に直結するインフラ施設のメンテナンスを怠っては、足元がおぼつかない状況に陥ってしまうのではないかと大変危惧いたしております。
最も重要なことは市民が安心して生活ができる基盤を整備することではないでしょうか。そのことを市職員の皆さんには再認識していただき、この状況をどのようしたら乗り越えられるのか、再度考察していただきたいと思います。
私の昨年、令和三年九月議会の川越駅西口周辺地区の諸課題についてと題した一般質問の中で、立体道路制度の活用についての問いに対し本間都市計画部長より、道路整備と土地の有効高度利用を同時に実現する手法の一つとして、道路の上下空間に建物や緑地などを整備した和光市の東京外かく環状道路や東京都港区の環状二号線、虎ノ門ヒルズなどの事例があると知り、用地取得が困難な既成市街地等における行政財産の有効活用事例についての御認識を示されました。市の所有する財産を生かした更新費用の捻出も状況打破の一つとして考察に加えるべきではないかということは申し上げておきたいと思います。
最後に、この厳しい状況に鑑み、経費見通しの試算の結果と現在要している経費との差を踏まえ、社会資本マネジメントについてどのような対応を考えていくのか、市の御見解をお伺いいたしまして、私の一般質問といたします。
土屋正裕総合政策部副部長 御答弁申し上げます。
経費見通しの試算の結果と現在要している経費を踏まえた対応についてでございます。
今回の計画の改定に当たって試算しましたインフラ施設を含めた公共施設等の経費の見込みにつきましては、令和三年度からの三十年間で総額約七千百二十七億円となり、平均いたしますと一年当たり約二百三十八億円が必要であるという試算の結果でございました。単純更新の場合と比べまして長寿命化対策を行うことにより一年当たり約六十二億円の削減効果を見込むことができましたが、現在、施設の維持管理、更新等に充てている額と比較いたしますと、それでも一年当たり約七十五億円の不足となっているところでございます。
今後の少子高齢化や人口減少社会の到来を考えますと、整備、更新に充てることができる財源もさらに限られてくることが考えられますことから、平成二十八年十二月に計画的な保全及び更新に充てるための川越市公共施設マネジメント基金を設置いたしまして財源の確保に努めているところでございます。
いずれにいたしましても、公共施設はもとよりインフラ施設につきましては、特に市民の皆様の安全安心な生活に関わる重要なものでありますことから、施設の劣化状況などを十分踏まえた計画的な対応が必要であるというふうに考えております。
以上でございます。